家を買ってしまったのにぜんぜん違うエリアに転職した場合の住宅ローン減税はどうなるかの実例。あれこれ検索したが同じケースは全然見当たらず悩んだ。
置かれた状況
- 住宅を購入し住宅ローン減税を受けている
- 2014年11月に退職、12月から新しい職場
- 前職で年末調整はせず源泉徴収票だけが手元にある
- 当年の給与支払者は1箇所だけ(転職先で12月に働いた分は翌年1月に支給されるので)
- 本人は住民票を移し買った家には住んでいない
- 家族が継続して居住中
平成26年度分の住宅ローン減税
前職で年末調整をしなかったのは「12月働いた分で次の会社で年末調整しよう」と思っていたからである。しかし転職先は月末締めの翌月払いであったため、平成26年度中の給与の支払実績が発生せず、年末調整を受けることができなかった。これが15日締めで27日払いとかだと事情が異なってきたと思う。
年末調整を受けられなかったので、確定申告をする必要がある、というかしなければ住宅ローン減税受けられないし、各種保険の支払い分を控除してもらうこともできない。
適用を受けられるのか?
転職し転居し本人は住んでおらず、ただし生計をともにする家族が引き続き住んでいるケースで住宅ローン減税の適用はあるのか?
No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等|所得税|国税庁
上記を見ると、「単身赴任の場合」が近いように思えるがそもそもこれは転勤であって転職ではない。違いがあるのか?
ネットに転がっている情報だと「転職はやむを得ない事情じゃないから無理」とか「転任の命令等により住居しないこととなる旨の届出手続うんぬん」とか否定的な話が多い。しかし前者はなぜ減税を受けるのに特定の会社に居続けるけるのが要件になるのか疑問だし、後者は家族揃って転居する場合だから関係ない。
転職時の住宅ローン減税 - その他(税金) 解決済 | 教えて!goo
上記にあるように、「生計をともにする家族が継続して住んでいる」をよりどころに申告することにした。何れにせよ確定申告はしなきゃならない。
確定申告会場へGo!
2015年2月、とある街の臨時確定申告会場に自分はいた。会場で税務署員に質問しながら申告書を作りたかったので、郵送ではなく会場へ出向いて申告書を作る方法を選択した。
転職ほやほやで有給休暇がなく、人の多さは覚悟して日曜日に行ったのだが、朝一から列の先頭が見えないほど混雑していた。
持って行ったのは以下のとおり。
- 借入残高の証明書
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
- 源泉徴収票
- 生命保険支払い控除証明書等
列が進み税務署員に事情を説明したところ、あっさりと回答をもらった。確認されたのは以下の点のみ。
税「あなたの現住所はどこなんですか?」
私「XXXXです。」
税「では納税地はここで問題無いですね。」
私「家はZZZZにあるんですが・・・・」
税「その家に奥さんがまだ住んでいるんですね?それなら大丈夫です。」
私「妻が住んでいることはどう確認してもらえばいいのでしょう?」
税「住民票等で確認できれば大丈夫です。」
転勤なのか転職なのか、やむを得ない事情があるのか、戻る予定があるのか、会社の証明がどうのこうの、、、、、等は一切なかった。
また、住民票の確認という話があったことはあったが、最終的にはそれすらなかった。
あとは流れに沿って申告書を作成し、提出して終わりである。様式は「住宅ローン減税額の計算が済んでいる方」というので進めた。
数週間後、指定した口座に還付金が振り込まれた。
平成27年度分の住宅ローン減税
今回の状況はこんな感じ。
- 現職場での年末調整を実施した。
- 住宅ローン減税の申告は会社ではしていない。
- 家族は平成27年まるまる買った家に住んでいた。
- 但し平成28年に入り同居を開始し家は空き家状態。
生計をともにする家族が1年を通じて対象の住宅に住んでいたのだから、前年と同じ理屈であれば問題ないはずだ。今回は年末調整は終わっているが、住宅ローン減税分だけを確定申告する形で進めた。前回は会場へ出向いたが、今回は年末調整は済んでいるため、申告書を作成し郵送することにした。
Webで申告書を作成し、以下のものと合せて郵送した。
- 借入残高の証明書
- 源泉徴収票
- 家族の住民票
今回は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」は「提出書類のチェックシート」にも含まれれおらず使わなかった。
家族の住民票は特に要求はなかったのだが、別居の家族が通年で住んでいたことが間違いなく確認できると考え入れた。
別居の家族に関する情報が申告内容に何らか書かれるかというと「住民税に関する事項」 -> 「別居の控除対象配偶者・控除対象親族の氏名・住所」という欄があり、ここに家族の氏名と住所が記載される。しかしそれがどう関連するのかはよくわからない。完成した書類を定形郵便の封筒に入れ92円切手を貼って投函した。
二週間ほどして、指定した口座に還付金が振り込まれた。
終わりに
生計をともにする家族が居住していれば、転職かつ転居しても住宅ローン減税を受けることができた。なお今年に入り家族との同居を開始したため、昨年分までで終わりである。これは色々事情があり仕方ないが、少なくとも正当に権利を行使できたのはよかったし、よい体験であった。こんなレアケースは殆ど無いのだろうけど、それゆえに情報も少なく苦労したのでここに書き残す次第である。