除湿機導入によるエアコンの湿度戻り対策 わりとガチのレビュー

エアコンの湿度戻り問題

はてなブックマークでエアコンの湿度戻り問題に関する話題を目にした。

b.hatena.ne.jp

しかし実際に対策を試みた体験談やその具体的な結果を報告している記事はほとんど見当たらない。もしくはGoogleの検索が劣化したせいでそういう個人ブログの情報は探し当てられないのかもしれない。この記事も読まれることがあるかは不明だが、試した結果としてに書き残しておく。

エアコンを使っても寝苦しい

夏になるとエアコンを使っていても寝室の湿度は80%を超えることがしばしばあり、非常に不快な状況になる。寝室にはswitchbotの温湿度計を設置しており、それが記録した実際の湿度戻りの状況は以下のようになる。いやいや酷い状況だ。うちは内窓もあり、断熱性も高めなので、運転能力を絞りきれずサーモオフしていると思われる。省エネ的にはサーモオフしたっていいんだけど、結露した水を室内に放散するのは熱力学的には暖房と似たようなもんなのでは?と思う(正確な表現とはいわないけど、エネルギー的には潜熱として室内側に放散しているでしょ)。

湿度戻りの様子

寝室エアコンには再熱除湿機能がなく、サーモオフによる湿度上昇を避けられないため、別の対策を考える必要があった。

除湿機を使ってみる

再熱除湿機能のついた新しいエアコンの購入も検討したが、湿度戻り以外に問題も無くまだ新しいエアコンを買換えるには忍びなく、お金もかかるので除湿機の導入が合理的だと判断した。

除湿機は大量に売られているが、電気代や夏使うことを考えるとコンプレッサー式がいいかなと考えた。しかしコンプレッサー式はその名のとおりコンプレッサーが運転されるので騒音が大きめだ。色々調べてコンプレッサー式のなかでも静かな機種を探した。安価な製品も多くあったが、レビューで非常にうるさいという意見が多く見られ、概ね価格・グレードと騒音レベルに相関があるように見えた。静音性で評価が高かったのが三菱電機のMJ-M100TX(W)で、通販で購入した。かなり大きく重いが、車輪がついており室内の移動は比較的容易である。

 

 

使ってみて

実際に使用してみると、たしかにしっかりした作りでビビり音は無かったが、コンプレッサーが回る音自体ははっきりと分かる。これはコンプレッサー式の限界かもしれない。ただ安物のレビューにあるような、共振・ビビり音はせず、純粋にファンの送風音とコンプレッサーの動作音だけである。よって置き方の工夫を迫られたりすることは無かった。

まとめると以下のようになる。

サーモオフ抑制: 除湿運転によってサーモオフが抑制され、ほぼ一定の湿度を保つことができる。湿度計の記録を見てもビタッと湿度が一定になるので、「サーモオフになったけど除湿して一定に保つ」ではなく「除湿運転中の熱がサーモオフを防ぐ・バランスする」ためではないだろうか。
湿度戻りの緩和: サーモオフ抑制は完璧では無く、発生することもある。しかしサーモオフが発生しても、即座に除湿運転が強くなり、湿度の戻りを緩和する効果があった。

結果をグラフで示す。のこぎりの歯のような湿度戻りのギザギザはなくなり、温度湿度とも安定する。明け方にサーモオフが発生しているが、それも軽度で押えられている様が見て取れる。これだけ見たら大成功である。

基本性能の高さ:除湿能力は非常に高い。湿度計のレスポンスもよく精度も高い(switchbotの湿度計と比較)。湿度の変化に敏感に反応して運転能力を調整している。

湿度戻りを押えられている

しかしながら、この除湿機を使ってみていくつかの問題点も見つかった。

送風音の大きさ: 送風・ファンの音がかなり大きく、特に夜間の使用では睡眠の妨げになるほどだった。これは後述する理由により回避することが難しい。
運転モードの限定性: 居室の除湿については基本的に自動モード(標準)しか選べず、風量を調整することができない。目標湿度に向けて全力で運転するのだが、もうすこし能力が落ちてもいいから控えめにしたいと思ってもできない。また、目標湿度も基本的に50%で固定されており、選択の幅がない。60%くらいでもいい、となればもう少し省エネにもなると思った。

風量を控えめにしたければ連続除湿で「弱」にすればよさそうだが、このモードはコンプレッサーが連続運転になり、50%を割っても除湿が続く。そこまでカラカラにする必要は無いし、電気代の無駄だ。

除湿に限った細かい運転モードはない

まとめると、衣類乾燥に特化しているため、居室の除湿としては機能が不十分であることが感じられた。前述のとおり除湿機能は強力であり、衣類乾燥向けのメニューは充実している(洗濯物とかみつけるムーブアイとか)。あくまでも居室特に寝室で使ってみた場合のレビューとして見ていただければと思う。

総括

これらの結果を踏まえ、寝室での使用には適さないと判断し、ものが新しいうちに手放すことにした。差引約1万円かかったが、実際に試せたからよしとしよう。この夏湿度戻りがない空間を作れたし、実際、湿度が安定して50%前後に落ち着いて送風が静かになった後は快適そのものであった。

自分は来年どうするかは決めてないが、再熱除湿機能がないエアコンを持つ方々には、除湿機の導入を検討時に参考になれば幸いである。