CX-30(マツダSKYACTIV 第七世代) ADASの品質よくない

21年2月にマツダ CX- 5からCX-30に乗り換えた。半年5000キロ弱乗って、運転支援(ADAS)の性能は旧世代と比べて大して進化していない、機能によっては劣化していると感じている。

CTS について

発売当初CTSは時速50km/hが設定上限だった。マツダはなんやかんやと言い訳していたが小変更(マイナーチェンジ)で速度上限を上げたのは、50km/h以上で使わせるには当初の出来が悪すぎたのだろう。

CX-5(KE)はどうだったか

第6世代に当たるCX-5(KE)にもレーンキープアシスト(LKA)という車線感知・車線維持を支援する機能がついていた。当時の技術的な限界もあっただろうが、動作は穏やかでもう少しアシストしてくれればという感じだった。出しゃばらずやれることをやる、という点ではまとまりがよかった。

CX-30ではどうなったか

世代が第7世代に上がったCX-30(MAZDA3もおそらく一緒)はどうなったか?
まず、ステアリングアシストは強くなった。ただその制御が荒く正確性に欠ける。

制御の荒さ

車線を検知(もしくは前走車を検知)していればライントレースしようとする。

その際ステアリングに加えられる力が大きく、小刻みにステアリングを切ってるような状態になってしまう。 人並みに運転できるなら、ステアリングの角度を決めればコーナーを抜けるまではほぼ一定、切り増し、戻すとしても微量かつゆっくりとしたの操作になるはずだ。

しかしCTSは右に左にガクガクとステアリングを切り、乗員が感じるほど左右にヨーレートか変動する下手くそな運転である。なるべく操作量を小さく、ジワッと動かして欲しいのだが全然ダメで、同乗者に運転がおかしいといわれるレベルである。

いちいち操作量・アクションが大きいだけでなく安定性にも欠け、真っ直ぐした道の真ん中をビシッと走ることもうまくこなせない。右に行けば左に、左に行けば右に行くとピンボール状態だ。

あらぬ方向へ行きたがる

これはハッキリいって危険なレベルだと思う。

CTSを使っていると「何でそっちに行こうとするの?危ない!ぶつかる!」と危険を感じる場面がそれなりの頻度である。特に片道一車線対面通行バイパスや、白線が消え気味の片側二車線専用道(高速道路も含む)で起きやすい。

わかりやすいのはIC等の流出車線にさしかかったときで、左側の白線をうまく検知できず(消えてしまっていることもある)、なぜか左側に寄っていってしまう。そのままだと流出車線と本線の分岐あたりに突っ込みそうになる。危ないから左へ左へ行きたがる車を宥めるように、アシストに逆らってステアリングを右側に切らないといけない。自信満々で間違った方に連れていかれそうになる。

ライントレース性が低い

アシストが粗いだけでなくライントレース性が低い。

一例を挙げる。

自動車専用道で右側にカーブしている道を走るとする。
CTS は右にステアリングを切りコーナーを抜けて行こうとするがコーナーが終わってもステアリングの戻しが遅く、右車線を踏んではみ出すような軌跡を取りがちになる。CTSがトチって車線を踏むくせに、直後に車線逸脱の警報が動作して、一人ボケとツッコミだ。出来が悪くカーブを綺麗に回れないのに、車線を逸脱してますよと警報を出すのだから馬鹿としか言いようがない。

レーンキープ単独での利用ができない

CTS はACC(MRCC、追従クルコン)を使ってるときでないと動作しない。CX-5ではMRCC OFFでもラインキープアシストは単独で使うことができた。ここも退化したポイントの一つだ。

MRCCについて

加減速が急すぎる

最初期型では非常に加減速が荒く危険だとネットで話題になった。小変更により改善に期待した部分もあったのだが、正直いって加速も減速もまだ制御が荒い。 このへんの味付けはCX-5(KE)のMRCCの出来が良かっただけに残念だ。

前車追従しているときの速度変化も敏感すぎで、前が加速すればガッと加速し、前の速度が落ちればすぐにブレーキを踏む。このあたりはもう少し遊びというかダルにしてほしいところで加速度・減速度をもっと緩やかにして、時間当たりの速度変化を小さくして落ち着いた運転にしてほしい。現状はとにかく落ち着きがない。

車間距離の取り方がおかしい

MRCCの車間距離の取り方には致命的な欠陥がある。

時速100 km/hで淡々と高速の走行車線を走ってたとする。追い越し車線追い抜かれ、速度を維持したままその車両が前方に入ってくるとする。 このときブレーキを踏んで車間距離を作りにいくのだ。前方車両が速いので遠ざかっていくのだが、一定速を保たず車間距離を取ることを優先しブレーキを踏んで減速してしまう。速度差が大きくなるためすぐに車間が空き、今度は設定した速度に戻るため加速することになる。 前方に車両が入ってくるたびにブレーキを踏み、また加速して前に進むという、強烈に下手くそな運転に付き合わされる

後ろに車がいたら「なんでブレーキ踏んで後ろに下がってくるんだ?」と思われる。自分だったら絶対にそう思う。

もちろん車間距離は大事だから安全を優先して確保するという考え方はあるだろう。 しかし走行リズムも同じように重要で、前に車が入るたびにブレーキ踏んでるようじゃ使いものにならない。この点、CX-5(KE)では何の不満を感じることもなかった部分で、車間距離が短めにな状態で前に入ってきても自車よりも速度が高い車両に対しては車速を維持してくれた。なんでこんな酷い制御になってるのか本当に謎である。
この事象を緩和するためにはMRCCの車間距離を最小に設定しておく必要がある。車の出来の悪いところをカバーするために安全性を犠牲する必要がある。

まとめ

SKYACTIV第7世代でADASの性能が向上したことを期待したが期待外れだった。エクステリア、内装、燃費がよいなど満足な部分もある。 しかし運転支援についてこの品質で売ることは疑問だ。

マツダには制御を改良し既存車両に提供してほしい(有償でも)。